2020/04/28
5月に大型モデルの旧キットの再販がありますね。その中に嬉しいことに1/60ガンダムもラインナップされています。
今回はそのガンダムを格好良く作る作り方を案内したいと思います。
オラザクで大賞をもらったThe GUNDAMにも、各ハッチの加工前の結構格好いいプロポーションの「素のガンダム」(?)の状態が存在しました。その後カレーにも肉じゃがにもなれる状態といいますか(←それわかりにくい)、今回はその格好いい「素のガンダム」状態に至るプロセスを紹介します。
現在1/60キットとしてはPGガンダムと旧キットが存在します。
旧キットはできの良いPGの存在のせいか、一般的にはいまいち興味を持たれていませんでしたが、実は他の旧キット同様、「少し改修すれば大化けする」傑作キットです。
カトキ氏監修以降のPGガンダムになじみ切ってしまった現在、これぞアニメーションイメージ!というガンダムに仕上げることができる唯一の存在です。
旧キットの制作って不安なんだけど?その改修レベルはどれくらいなの?と思うところは様々だと思います
今回はなるべくステップバイステップで、仕上がりレベルに合わせた改修のポイントを紹介したいと思います。
1/60という大スケールの格好いいガンダムを手に入れましょう!
そうそう、キットの値段は2000円ですよ(!!)

大きな旧キットはキットが家にあるだけで楽しいな。

大きな旧キットは組み立てるのも楽しいな。
■■1.旧キット共通の工作ポイント・パーツの組み立ては要接着 流し込み系の接着剤が便利ですが、ダボが貧弱かつ接着シロ(プラ断面)が細く不均一なため
スチロール系のしっかり溶着できるものを選ぶこと
しかし、これだけでは接着後の切ったり削ったりの激しい工作には耐えられないので、接着面には裏から厚めのプラバンを
瞬着でがっちり貼り、補強を入れましょう。そうしないとパーツを力を入れて持つと、接着分割線で簡単に割れます。

特に胴パーツと、ソール部品は必ず補強を

腰パーツは今回全く改修しませんが、補強はしっかり入れましょう
■オススメ素材
1/60という大スケールなので、エポパテは多めに用意しましょう(フルハッチではWaveの軽量エポパテを2箱使い切りました)
Waveの軽量エポパテは効果も比較的早く、サクサク削れ、軽いので今回のような工作にはぴったりです。
ユニットどうしの角度調整や、隙間埋め、裏打ち、アルミ軸の固定などとにかく使います。
アルミ軸を固定する際に、部品の裏側にパテを裏打ちし忘れることがよくありますが、一旦閉じたパーツも、ノコで切って開いて、中にパテを仕込むような手術めいたことも日常茶飯事です。このおおらかさが旧キットのいいところです。
・あと、幅詰めや延長などでパーツをノコで切断することが多々ありますが、一方向の加工を済ませてから次の工作に進みましょう。
例えば胴部品を上下方向に延長して前後方向に幅詰めする場合、上下延長の加工が終わってから前後幅詰めに取り掛かりましょう。
二方向に一度に切断してむやみにパーツをばらばらにしないように。工作はステップバイステップがきれいに仕上げるコツです。
・同じことが全身の工作にも言えます。全身の工作もプロポーションと各パーツのディテール加工工程を分けたほうがきれいに確実に仕上がるように感じます。
旧キットは各関節のタイミングが決まるだけで、大化けするうえ、今回のような大スケールモデルだと、工程を分けたほうが進捗を感じやすく、モチベーションが右肩上がりに上がっていくと思います。
なので今回の工作もプロポーションに絞った工作を集中的にやってから、全体のレベル上げを行うことを提案したいです。
■オススメ工具
切断に使ってるノコはこの2種
タミヤのノコはあちこちの部品を切り刻む用。シモムラアレック 職人堅気 ハイパーカットソーは、主に頭部のフェース部分を切り離すような繊細な加工にオススメ。
■■2.かっこいい旧キット1/60ガンダムの作り方今回は間接固定のディスプレーモデルとして作りました。(間接作るの苦手なんです)
そうそう、頭部のみボールジョイント接続なので、ある程度素立の表情付けは可能です
まずはプロポーション改修ポイントからやってみよ
(◎は優先順位の高い工作です)
■頭部・◎首を延長
・◎フェース部分を切り離し、奥と上に移動
・フェース部分下部の削り込みによる小型化
・アンテナ基部をパテで大型化

フェース部分を切り離し、奥と上に移動するだけで、こんな感じ。
このキットホントいい表情なんですよ。
この表情の良さにに引っ張られて、その後の工作もご機嫌で進めることができるので、まずは頭部から。
フェース部分の切り離しは、フェース部分優先で、多少ヘルメット部分に傷がつくのはいいとおおらかに考えてノコを入れましょう。
そうそう、今回は全身関節は固定ですが、首の回転だけは動くようにしておくと、それだけでポージングの幅が(狭いですが)広がりますので、オススメです。
続いて、胴部、臆することなく行こう!
■胴部・◎胸左右のダクト部分で幅詰め。中央部分の幅はキープする一方で、襟の黄色部分も幅詰めするのがポイント
・◎胸前後幅詰め
・◎胴部(赤色部分)を延長、前後幅詰め
・◎コアファイターブロック(青部分)を上下延長
あ!胸と胴部分の前後幅詰めしたような気がする、、図に書くの忘れてた!
■腰部・無加工(股関節軸は不要)
■オススメマテリアル
そうそう、プラ板の延長や、切り詰め部分の再接着などは下の流し込み接着剤を使いました。
接着が素早くできるのに加えて、接着線が黒く残るのが、後々の試行錯誤(延長工作後に再び切って短縮とか)で役に立ちました。
今も画像を見ただけで、プラ板何枚重ねてるか、どこを切断しているか、追跡ができて大助かりです。
■肩部・肩アーマー小型化、前後幅詰め、微妙な曲面の表面をプラバンでフラット化
・肩アーマー取付位置を上方に移動
■腕部・◎上下腕延長
・握り手、ライフル握り手を新造、、は時間がかかるので、Takuyaさんのロボマニを使うのが断然お勧めです。僕は当時いいサイズがまだなかったので、ロボマニを見ながらエポパテを削って作成しました。
STYLE-S ロボマニ丸指7L >>
■脚部・◎足を開いたときにフンドシ部分に干渉するモモ部分を切り欠き
・◎モモはモモ上面よりアルミ軸で胴部品底面に向けて固定
・◎足首関節をキャンセルし、角度を調整し、アルミ軸で固定
・スネと足首(関節除く)は無加工

ここまででだいたいこんな感じになります(コブシはキットのままですが)
以上で1/60の最高プロポーションのガンダムが出来上がりますよ。
こうやってみると原型ほとんどとどめております。

もう一度この画像に登場してもらいたいのですが、実はここまで2日でできます。
土曜に過去を開けてから、日曜の夕方にはこんな感じです。
顔の切り出し、胸の幅詰め(胸側面のみ)胴の延長、ももの切り欠きくらいはできちゃいます。
3連休なら、エポパテを躊躇なく使えば、股間と、足首に詰め込んで、立たせることだって可能です。
当時は試行錯誤しながらなので、今なら迷わずもっと早くできるかもです。
関節部分は角度さえ決まっちゃえば、足の裏からとかドリルで穴を通してアルミ棒なり、プラ棒なり差し込めばがっちりです。
旧キットはダイナミックに進捗が目に見えて楽しいですよ!
最高プロポーションになったところで、次はさらに見栄えのするガンダムにするための改修ポイント
■■3.さらに格好いい旧キット1/60ガンダムのレシピ

ちょっと味気ないですが、以下工作のレシピを紹介します。
もし余裕があれば!
■頭部・頭部前後幅増し
・フェース部分下部の削り込みによる小型化
・アンテナ基部をパテで大型化
・頭側面のダクトの新造
・頭頂部センサー面新造
■胴部・胸のダクト部分新造(もしくはPGガンダムから枠だけ流用)
■腰部・フンドシのV字オーナメント新造
■肩部・肩アーマーの厚み調整
■脚部・ひざ下のダクト部分を開口し、インナーダクト新造
・アンクルアーマーを切り出し、角度を調整しエポパテで固定
・アンクルアーマーの厚み調整
■ランドセル・胸部上面ギリギリまで移動
・バーニアを変更

あとはお好みで、どこまでも格好良くすることができますよ。
フルハッチオープン仕様に挑戦するのもあり。電飾もあり、フルアーマー化あり、パーフェクト化あり、今回は間接固定でしたが、フルアクション仕様に挑戦するもありです Lets!
2020,05,02 当記事の続編をアップしました。合わせてどうぞ。
>>http://matmat825.blog69.fc2.com/blog-entry-1078.html
以下旧キット1/60ガンダムフルハッチオープンの製作記を上げておきます。
今回のプロポーション工作編からその後のハッチ工作編を経てオラザク応募編まで、わかりやすいインデックス形式でまとめました。
もし興味がありましたら、ビールを飲みながらでもどうぞ!
■プロポーション工作編1. 早く目が覚めたからガンダム作るよ2. 1/60旧キットガンダム作っていろいろ3. 【制作再開】1/60ガンダム4. 少し進んだ1/60ガンダム5. How to build GundamのHow to buildを描いてみました6. 1/60ガンダムの進捗を7. 1/60ガンダムをちょっと進めたよ8. ただいま手を作成中9. 初・握りこぶし新造 1/60ガンダム10. ハッチオープン前に表面処理をしないと落ち着かない11. フルハッチオープンする前にサフを吹いた。↑今回の記事に関係するのはこの辺りまで。
画像も結構あるので、あそこはどうなってるのか?の参考になるかなと思います。■ハッチ開口部分工作編12. ハッチオープン前の最終面チェック13. いよいよハッチを開け始めた年末■表面ディテール、内部メカ工作編14. ディテール追加工程に突入 目標はタミヤ1/48MM15. 冬休みはここまで16. ハッチ部分を作り始めました17. 内部メカや「あの」ディテールを入れた18. 見た目あまり変わってなくても進んでいる19. ハッチ内露出部分のメカ部制作後半戦20. くぎりのサフ、いよいよ最終工作工程へ21. 今この模型が机にある喜びを22. ハッチ部分の制作前に本体ディテールを23. 本体の加工、表面処理、ディテールほぼ終わった(かな?)24. 作業環境を移転しながらフルハッチガンダム■ハッチ工作編25. 腰回りと平たいハッチができました。26. 足首部分のハッチ完成27. ハッチ部分ほぼ完成28. 全身にハッチがセットされた状態に突入■仕上げ工作編29. 工作が終わってしまう30. 工作終わったかな?■塗装完成編31. 旧キット1/60ガンダムフルハッチオープン完成しました。そして。32. なぜフルハッチで見栄を張ったポージングなのか問題33. 最終話 ガンダムフルハッチオープン [The GUNDAM] 公開■オラザク応募編フォトブックはこんな感じ(オラザク応募フォトブック全ページ)■番外編:新たなHow to 基材を組み合わせた表現、宇宙世紀っぽいヒンジを100個作る方法簡単に精度の高いディテールを作る方法1/60の表現(ディテール工作編)
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