基材を組み合わせた表現、宇宙世紀っぽいヒンジを100個作る方法

現在制作中(2019年5月)の旧キット1/60ガンダム・フルハッチオープン仕様ですが、いろいろ表現手法をトライアンドエラーしながら進めています。

旧キット1/60ガンダム・フルハッチオープン>>

今回紹介したいのはパネル部分のヒンジパーツですが、いろいろ考えた上でのパーツなので、結構独自性が出たと思います。

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今更ですが、今回のヒンジには回転軸はなく動きません。それっぽい場所にそれっぽいものがあり、宇宙世紀っぽい、現代とのつながりを少し感じられるテクノロジー感の塩梅がふんわり感じられるようなイメージでヒンジパーツを作成しました。
ハッチが全身で50個弱あり、それぞれ開閉するための構造があるテイなので、ハッチごとにヒンジが1個~2個付くと考えると、ヒンジは70~80個必要です。しかし、流用パーツには数が多すぎて頼れない。楽に同じものが作れるなど生産性も考慮しないといけない、これくらいの大きさではレジンで複製するも後加工が大変かも、これを機に3Dプリンターへ進出するか??と結構考えました。そこでいくつか試作した末、コの字断面とクランク断面の成型基材を組み合わせてそれっぽく作成することにしました。

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こういう基材ですね
言葉で説明するのは難しいので、構成は以下のイラストを見てほしいのですが、

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計2パーツ構成、です。加工はそれぞれの基材をカッターで切りだして、それぞれの部品を接着する、という数工程で出来上がりです。すばらしい!
最初、サイズ違いのコの字断面のパーツの組み合わせで面白くならないかとあれこれ試作してたところ、クランク断面の成型基材の存在を知り、
大きさ、向き、角度を調整して今回のパーツに至りました。
この方法なら大量に同じものを作るのもさほど手間ではなく、100個くらいバーッて作って良品を選んでいくという余裕っぷりでした。

DSC_0005のコピー

実際は拡大すると、んん?ヒンジっぽい?という印象ですが、幅1.5mmくらいの小さいこちゃっとした部品が、それらしい、奥まったところにくっついている効果は相当なものです。
なんかロック機構を持ったヒンジに見えるんです。
今回のエントリーは「、、、っぽい」、とか「、、らしい」、、というふわっとした表現を多用していますが、模型ってそんなもんです。
そんな表現の部品の集合体で、総力をもって、受け手の感覚に攻め込むものです。

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もひとつHow toめいたことを話しますと、
一見複雑に見えるものも、分解すれば単純形状の組み合わせだった、ということはよくあります。
今回のように単純ながら、面白い形状の、面白い組み合わせは、すごく面白いパーツに化ける可能性大です。
こういった分解と再構成は高校時代、芸美大受験で叩き込まれました。「そこを面白がれ」って。