2015/09/23
影部分の処理の話
書くことが尽きそうでなかなか続いているガンプラのHow toですが、今回は影部分の処理の話です。
チラチラ見える外装の裏側、スカート裏や、肩装甲裏など最近はRGをはじめ、1/144などの小スケールでもディテールがモールドされているキットも多いですが、チラ見えする裏側の全てにディテールが入っているわけではありません。今回は簡単にできて密度感が上がり、シャープに仕上がる装甲裏などの影部分の処理についての話です
影部分の処理ってどんなの?
手法は同じですがキャラクターや、スケールによって影処理の狙いが異なります。
以下3つの例で説明しますね。

これらの緑丸で囲った部分が処理した部分です。トランジェントガンダムは装甲裏がチラ見えどころではない見え方をします。そして劇中の設定を鑑みて、巨大感が出るようなディテールを入れる処理よりも、アニメ風といいますか、設定画稿にも見られるように、影の部分は黒くしてみました。

以前、HGUC F2ザクの製作の際にも、緑丸のような箇所に同様の処理をしています
未処理の裏面が見えてしまうとプラモデル感がどうしても出てしまいます。トランジェントのようなアニメ調の処理とは違い、HGUC F2ザクのような巨大感を出したい場合でも「影部分は黒」と割り切った方が効果的な部分もあります
腿やふくらはぎの外装の膝裏周辺もわずかですが、装甲の裏側が見えてしまう箇所がありますのでここも処理しました

MGくらい大きくなると、さらに巨大感を感じさせたいところなので、装甲の裏側の処理もディテールを入れたり、装甲表面と変わらないような仕上げを入れるので、上記トランジェントやザクのような「影部分は黒」という影処理は少なくなっていきますが、影処理が効果的な部分もあります。例えば上記画像のような、センサー部のレンズの内径部分に黒を入れると、光学機器感がアップしますし、頬の内側にも同様の処理をすると、隙間なのか裏側なのか、わけのわからない部分が消えて、「頬に影」のメイク効果か、顔がシャープに見えます。これらの箇所は目が行きやすい箇所なので、上の2例と違って、攻めの影処理と言えます
さて、そのやり方は?
部品のスミ入れ、マーキングが終わったところで、タミヤエナメルのジャーマングレーをエアブラシで影色を置きたい部分に吹いて、はみ出た部分をエナメル溶剤をつけた綿棒で拭き取れば完成です。簡単です
エナメルでもエアブラシで吹けますし、エアブラシを使って吹けば、綺麗に均一に塗れますし、細く吹けばあまりはみ出さずに、のちのふき取りも最小限で済みます。
コツは?
色は黒は使わない
これは以前もお話ししました通り。(スミ入れの話し参照>>)
僕はジャーマングレーを使います。これでも影部分に塗装すると黒に見えるのでオススメです。
濃いめの希釈で吹く
エナメル塗料をエアブラシで吹くときは、溶剤での希釈加減をラッカー系のときよりも濃いめにしておくといい感じです。薄くしてしまうと、スジボリなどをたどって思わぬところに流れていってしまうことがあったので、そうしてます。プラの割れも怖いですし。
オーバーコートは少しづつ
そして塗装後はラッカー系のフラットクリアを影処理した部分には、カーモデルのデカール部分のオーバーコートのように軽くから吹き重ねていきます。(エナメルの吹きっぱなしでもいい艶消し加減なのでオーバーコートはお好みで)
以上、簡単に、プラモ感が消え、模型に密度が出て、シャープ感がアップする。影部分の処理の話でした。
One more thing
この手法をパチ組みプラスαの簡単フィニッシュなどに使うと、めちゃくちゃ効果があるよ。気が向いたらどうぞー。