手は口ほどにモノを言うの話


目は口ほどにモノを言うとはよく言いますが、その件についてはすでにあげている(>>ここ「レフ板を使って目を光らせよう」)ので、今回は手の話です。
模型では手が物語る情報量は多く、ここに気を配っている完成品とそうでない完成品では訴えるものが違うと思うのです。

ずいぶん懐かしい、10年くらい前の完成品ですが、このHi-νやデスティニーの左手のように、グーでもなく、パーでもない、例えば
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このように不敵な印象や(ん?)

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次のアクションにつながりそうな意思(ん?できてる?、、むしろそういう意思を込めました、という狙いは伝わってほしい、、)を手の表情、指先から感じさせることができます。
(なんか、、例がまだまだな感じで申し訳ない、、)
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このように後々使うかもしれないと、キット付属、市販の手や指を貯めていてこんな状況になっている方は多いと思いますが、制作ごとに良さそうな手をここから探しても、時間ばかりかかって、意外と使い物にならないことも多いのではないでしょうか?(僕はそうなんです、、)

MGなどでは可動指や手のバリエーションがキットに用意されているので、今回は1/144のキットを中心に。
さらに言うと、平手や握り手はキットのものもよくなってきているし、ビルダーズパーツなども手に入りやすいので、その他の表情、緊張感の感じられるような表情をどのようにして作るかという話に絞っていきます。
具体的にはどうすれば?

平手を加工する
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最近の1/144系のキットには平手が付いていることが多く、また、ビルダーズパーツでも平手は付いていることから、手に入りやすいこの手の指先を切って、好みの角度に再接着すれば以外と簡単に欲しい表情の手を作ることができます。(右手前が加工前です、、あれ?この小指は加工済み??)
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コツは
・1指ごと、1関節ごとに加工する(指の順番を間違うと不自然になってしまう)
・箱の中で加工する(デザインナイフで切るとき飛んでしまうと、、)
・接着はさらさらタイプの接着剤(瞬着ではない)
・自分の指を見ながら表情をつける(角度調節を繰り返すので瞬着は使わない)
・角度をつけるときに切るだけでは指が短くなるので、極細プラ棒をスペーサーとして関節に入れて角度調節する
、、という感じ。

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このディナイアルの右手のような感じになります
指先から「つかみかかろう」という意思が感じられれば成功!
慣れれば片手30分くらいの作業量ですが、確かにうえーーー、、という感はありますね。じゃ、もう少し手軽な方法ですが

極め手を使っちゃう
このスケールで全関節可動の恐るべき商品です。
指可動手が左右とグーの手が1セットづつ付属します
HOBBY BASE- 極め手 1/144 角 >> G PARTS
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これも組み立てるのは慣れないと結構時間がかかってしまいますし、飛ばしてしまうと予備がないので結構緊張します。

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先に書いた「平手を加工する」作戦に対するアドバンテージは、

・組み上げ後に自由に表情をつけることができる、
・指の表情付けのデッサンに狂いが出にくい
、、というところでしょうか

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組み上げるとこんな感じになります
完成後も指可動を楽しむことができるのですが、気を使ってベストな表情を作って、流し込み接着剤で固定してしまってもいいのではないかと思います。指先まで動きまくってしまうと、全身レベルで決まったポージングを取らせにくくなってしまうからです。この場合むしろ指先にまで気をくばるのはパワーが必要になってしまい、むしろ可動指が足を引っ張ることになりかねません。

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平手を加工するもよし、極め手を使うもよし。
緊張感のある手は雄弁ですね。
それにしても、もっと加工がうまくなりたいデス。