2016/03/13
画像は光の当て方で雰囲気が変わるよ
撮影のたびに画像の雰囲気が変わり、未だ撮影環境のコントロールができていないと感じています。
今回は光源の当て方でどのように画像の雰囲気が変わるか実験し、次回以降の撮影時になるべく勘に頼らないで済むようにデータ収集しようと思います。
*3/13修正 どうやらレフ板のことをデフューザーと勘違いしていたので文言修正しました(Takuyaさんありがとう!)でも画像のDifあり/なし表記は修正しなくても内容は伝わりそうなのでそのままに(画像埋め込み文字の修正は、、はあ、、。)、、

撮影ブースのおさらい
mat modeling serviceではこのような発泡スチロールボックスを使った撮影ブースを使ってまして、左右のボックスの中には蛍光灯ライトが3灯づつ(左右で6灯)セットされてます。これらの光源は発泡スチロールのボックス内に反射させて左右から被写体に当てるのですが、天面も手前も背景紙もすべて白なので、光がよく回り、理想とするうす曇り空の屋外撮影の光の回り方によく似た撮影環境を作り出すことができます。
現在の撮影環境(撮影ブースやカメラなど)の詳細はこちらから>>
でも、いつも画像の雰囲気が違うように感じる
このような毎回固定された光源を使っており、何度も撮影を繰り返し、ある程度実績があるのですが、毎回画像の雰囲気が少しづつ違って見えるのが気になっておりました。画像は光の当たり方によって雰囲気が大きく変わってきます。いつも光量、光源の位置は変わらないので光の当たる角度、つまり、被写体の置かれる場所がまちまちなので雰囲気をコントロールできていないということになります。
なので実験してみます。その方法は?
これが今使ってる撮影ブースです。(この外観、どうにかしたい、、。)
被写体を置く場所を奥から手前までAからDまで4段階で位置を変えながら撮影します
AやBでは横からの光の影響を強く受け、手前のCやDの位置ではほぼ逆光に近い環境になります。

そして正面のレフ板(反射板)もなしとありで画像の雰囲気が大きく変わってくるので、これも水準分けします。
(ホントこの外観、どうにかしたい、、。)

では実際に撮影します
今回は光源の当たり方によって雰囲気がどれくらい変わるのかを理解することが目的なので、、被写体には色があまり多く使われていないザクF2を使います。
撮影ブースの奥から手前まで4水準、同時にレフ板なしありの2水準の計8水準の実験です。
まずは最奥のAから

光が回りまくっています。ザクの左足のすね部分などに顕著なのですが、この光源だと左右の面に光が多く当たり、正面は影になる傾向が強いのですが、正面レフ板なしでもその差があまり見られないのもそのせいかと。
正面レフ板ありだともう陰影がなさすぎて、ぺったりした画像になってますね。
両方とも暗い部分が少なくディテールは分かりやすいです。(スパイクアーマー裏や足首フレア裏は黒く塗っているので影ではないです)
次はBです

最奥のAより手前に移動しましたので光の何割かはAよりも後ろに回ります。よって正面レフ板なしだと少し逆光気味に感じますが、陰影からくる立体感からかザクの重厚さが出てきていい感じです。それと比較すると正面レフ板ありは綺麗に光が回って立体感も損なわれず、非常に見やすい、ディテールもよく分かるweb向きの画像になってると思います
さらに手前に移動。Cはどう?

正面レフ板なしは完全に逆光で暗すぎですね。ディテールが暗くてわからない部分が多いです。で、正面レフ板ありはいい感じですね。しかし気がつきましたでしょうか?上のBの正面レフ板なしの画像とほぼ同じなんですね。面白いです。これは後ほど比較しましょう
最後にもっとも手前のDです

これは手前すぎて完全に撮影ブース外ですね。よって正面レフ板なしは完全逆光で重すぎます。ドラマチックすぎます。完成後正式発表前の焦らし画像でこんな感じの画像を見かけますね。正面レフ板ありは、これはこれでアリですね。ディテールが分かる範囲で陰影による立体感が今回の8水準中マックスです。ザクに非常にあっていて重厚感を強く感じます
じゃ、並べてレビュー

今回実験した8水準を並べました。
明らかに明るすぎたり暗すぎたり立体感が感じられないものは除きます

こんな感じで4水準が残ります。どれもWebで伝える模型の画像としてはいいのではないかと感じます

その中でもオレンジで囲った2水準は最もバランスが取れた画像だと感じます
置いた位置の差をレフ板の有無でカバーして、結果同じような効果が出たという点が非常に面白いです

上記画像のオレンジ枠画像は非常にクリーンで好みなんですが、ザクのキャラクターというよりガンダム系にあっているような気がします。
一方その下のD-レフ板ありはザクとして雰囲気が出ており好きなんですよ。これもあり!
だいたい傾向がわかったぞー。
今回の実験の結論

では今回の実験の結論を、
■結論1:よりクリーンな画像が欲しいガンダム系の撮影の時はBの位置で撮影する。雰囲気は正面レフ板で調整。
■結論2:より重厚感を伝えたいザク系の撮影の時はCからDの位置で撮影する。雰囲気は位置で調整する。正面レフ板は必須
そんな感じでちょっと自分の撮影環境のコントロールの方法を把握することができました。
今回のエントリーはウチの撮影ブースに特化した内容なのであまりみなさまお役に立てないかもしれませんね(←冒頭で言うべき!)。お付き合い感謝です。
あとはカメラ側の絞りの設定かなー。
関連エントリー:ガンプラのオススメ撮影 How to まとめ
http://matmat825.blog69.fc2.com/blog-entry-870.html
2021,09,11追記
この撮影環境の特性を活かして、現在はこんな画像を撮っています。
本体手前は逆光で、中心付近は順光(これはいまいちか、、右足あたりは成功)奥の羽は露出オーバーで白くなっています。特に前後に奥行きのある被写体ではこのような画像になりやすく、空気遠近法に似た実寸法以上の大きさが感じられるといいなとの期待を込めています。
どうかな?まだまだかな?
