2016/06/04
リカバリーはカラを破るチャンス(かも)
塗装後に汚れや傷を発見するとテンションが下がってしまいますよね。それもスミ入れ、デカール工程も終わっていたりする最終の仕上げ工程だと、それはそれは、、。でもどんな状況でもやり直しがきくのがガンプラです。今回はその工程もひょっとしたら楽しめるかもというお話です。
仕上げ時に発見するリカバリー対象要素は
・塗装のはみ出し、墨入れの拭き取り残し
・汚れ
・傷(外傷やヤスリ跡が消えていない)
・スジボリのヨレ、はみ出し
、、と軽度なものからちょっと深刻なものまで順にあげてみました。塗装のはみ出しなどは直前の工程のチェック出来なかったものを次工程で発見できただけなので、リタッチで済みますが、汚れ以下傷などはその前から潜んでいた要素なのでちょっとリカバリーにはノウハウが必要ですね。
ミスを見つけたらまずはエナメル洗浄

汚れや傷をまずエナメル溶剤を含ませた綿棒で拭いて洗浄します(塗装にラッカー系塗料を使っている場合に限ります)。
これで、エナメルでのスミ入れ由来の汚れは取れます。スミ入れ時に塗料のついた指で触った汚れって結構多いのです。
さらに傷の周辺の汚れも結構取れるので、本当の傷の部分が特定できます。案外大きな傷だと思っていても、洗浄すると、ほぼ見えなくなってしまうことも多いのです。
エナメル洗浄しても取れない汚れは
1500から2000番のペーパーで下地が出ないように慎重に削ります。これで汚れも傷も結構取れるはずです。細かい番手ですがペーパーを使うので表面の質感は変わってしまいますが、トップコートを吹けば問題なくなります
それでもダメだったら
それでもダメでしたら、もうリタッチ覚悟でラッカー系の溶剤を上記エナメル洗浄の要領でこれも慎重に拭き取ります。勝率1割くらいでほぼ失敗しますので全然お勧めできませんが(笑)、、なので発想の転換をしてみましょう
ここまではリカバリーをミスの処置と考える消極的リカバリー策、ここからお話しするのは「リカバリーは殻を破るチャンス」と捉える積極的なリカバリーです
積極的なリカバリーとは
まずは事例を、下の画像の矢印部分のマーキングですが、ここはブルーグラデと大きく派手なマーキングが似合っていて、自分でも気に入っている部分です。しかし実は、白と青のグラデの真ん中の微妙な色調部分についた小傷を隠すためのリカバリーから出た表現です。

グラデの色調が変化する部分なのでレタッチが困難で、上記のエナメル洗浄をしてもリカバリーできない小傷でした。
サフからやり直しを覚悟しましたが、ダメモトで大判のデカールをレイアウトしてみると、、傷はデカールで見えなくなる、しかもインパクトが出る、と、ハマったわけです。
このトラブルがなければ、いつものような仕上げに甘んじ、作品のインパクトが何割か落ちていたのではないかと想像します
大げさかもしれませんが、どうしようもない状況のおかげで手グセがついたマンネリ表現を脱却するチャンスにつなげることができた、ということかもしれません。
ピンチに陥ると進化するんですね。
次回は
残るスジボリのヨレ、はみ出しのリカバリーと、そこから発見した面白いディテールの紹介です。ちょっとびっくりすると思いますよ。後編をお楽しみに〜。
後編はこちらから>> http://matmat825.blog69.fc2.com/blog-entry-886.html