装甲の厚みを感じさせる部分C面処理


ガンプラはプラでできているので、製造上一定のプラの厚みが発生します。ただパチパチと組んだガンプラからはあちこちからそのプラの厚みが垣間見え、感覚的にプラっぽい=おもちゃっぽいと感じてしまいます。我々モデラーにとってはプラっぽさをいかになくすか、が大きなテーマであり、本来合金(?)でできている(はず)のMSを表現するためにいくつかの手法が編み出されています。端面の薄々処理もその一つですね。逆に厚みを感じさせたい場合は端面が厚くなっていれば装甲の厚さを感じさせることができます。共にプラ厚をそのまま見せずに厚みをコントロールし、さらにおもちゃっぽく見える課題も解決することができます。
しかし、端面がない立体の途中でその装甲の厚みを、堅牢さを表現したいときはどうすればいいのでしょうか?というのが今回のお話です。

バンダイエッジと言われるC面(エッジにできる小さな平面)ですが、モデラーの間ではシャープさを損なう、プラっぽく見えてしまうということからC面を削除しエッジをピンピンにした方が良いとされています。しかしポリゴンのようにピンピンなエッジで構成された立体より、C面でつながれた立体の方が堅牢に見える場合もありますが、実はこれ、結構曲者です。薄い装甲にも見えるし、分厚い装甲にも見えます。
どういうことか?
装甲におけるC面の内部構造を2通り想像して見ましょう

その1
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これはプレスか、もっと薄い場合は板金の折り曲げ加工を想像したパターンです。非常に薄く、重厚さは感じられません

その2
zukai-01.jpg

これの場合は鋳造か、厚板の溶接で大きな2面が構成されており、角を削った結果のC面であることが想像できます。非常に堅牢に見えますね。

というわけでただのC面からはなかなか内部の状況までははっきりと想像するのは難しく、状況や思い込みでいかようにも取ることができてしまいます。

そこで装甲の厚みや堅牢さを感じさせるC面処理を部分に入れる手法をちょいちょい試していますが、結構うまくいってそうなので、紹介します
以下3つの画像の緑のサークルに囲まれた部分がその処理です

Zo-02.png

gz-07.png

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プラ感をなくすためにエッジをピンピンにシャープにし、その一部分にC面を施すことで、上に説明したプレスや板金折り曲げ加工は想像しにくくなり、結果、薄さは感じさせず、「これは厚い装甲のエッジの一部を削って作られたものなのだ」と想像しやすい状況を作り、狙った重厚感、堅牢感がそこそこ表現できたと思うのですがどうでしょうか?

下の画像の↓この段付きの穴の周囲をさらう処理も装甲の厚さを感じさせる有効な処理なんですが、実際はプレスなどの処理で作られているのかも?という疑惑はちょっと残るような気もします

gz-weapons-1-01_20161211223053682.jpg
最も簡単なディテール工作 穴あけディテールの話>>

このように本物のMSがあったらどんな製法でこの部品は製造されているのだろうか?と考え、その製法を生かすようなディテールを入れることができると、ホント楽しいですし、模型が盛り上がるよという話でした。